プログラマブルで低ジッタのデュアル・クロック変換IC「AD9559」を発表
~OTNデマッピングや高密度ラインカードなど広範囲の有線ネットワーク・アプリケーションをサポート~
2012年07月30日 - 東京アナログ・デバイセズ社は、本日、高速光伝送ネットワーク(OTN)アプリケーションや高密度ラインカードのタイミング規格に対応した、プログラム可能でジッタを低減できるデュアル・クロック変換IC「AD9559」を発表しました。このデュアル・クロック変換IC AD9559は、同期イーサネットや、SONET/SDH、1/10/100Gイーサネット、ファイバ・チャンネルなど、低ジッタかつ柔軟な周波数変換機能が要求される有線通信アプリケーション向けに、様々な規格の周波数を同時にサポートできます。AD9559は、あらゆる規格の周波数入力から、それに同期した最高1.25GHzまでの周波数出力に変換でき、出力ジッタは12kHzから20MHzの帯域積分値として400fsRMS(実効値)未満となっています。AD9559は、2つのタイミング同期用デバイスを、1つのICで置き換えられるので、プリント基板の占有面積を縮小でき、コストの低減も可能です。
AD9559は、高密度ラインカードやOTNアプリケーション向けとして、業界で最も柔軟かつ高性能な適応型デュアル・クロック変換ソリューションです。適応クロッキング機能によって、DPLL(デジタルPLL)をロックしたままで、DPLLの分周比を変更することが可能です。これにより、ループのアンロックやチップを再プログラミングすることなく、出力周波数を0.1ppb以下の周波数分解能ステップで、公称出力周波数から±100ppmの範囲でダイナミックに調節できます。またAD9559のデュアルPLLアーキテクチャにより、完全に独立した出力クロックをそれぞれ生成できます。2つのDPLLは、それぞれ最大4系統のリファレンス入力のうちの1つに同期でき、各DPLLは2系統のクロックを生成します。このDPLLにより、外部リファレンス入力信号がもつ時間ジッタや位相ノイズを低減できます。
AD9559は、デジタル制御ループ回路やホールド・オーバー回路によって、すべてのリファレンス系統が喪失したときも、クリーン(低ジッタ)で有効な出力クロックを連続的に生成できます。クロック変換IC AD9559の優れたプログラム性によって、ネットワーク・ラインカードの設計者は、同じ回路を様々な異なるボード設計に適用できるので、必要な部品数を抑えられることとあわせ、全体のシステムコストの低減が可能です。
AD9559は10mm×10mmのコンパクトなサイズで、周波数を即座に変更でき、コスト・メリットに優れたクロック源をラインカード設計者に提供します。またAD9559は、データ通信や次世代有線ネットワーク・アプリケーション、試験測定、高速データ収集装置、ビデオ・アプリケーション、無線基地局コントローラなどの用途にも適しています。
4系統入力デュアルDPLL適応型クロック変換IC「AD9559」の特長
価格、供給、および関連製品について
下記表中の価格は、米国での販売価格です。
製品 供給 動作温度範囲 1,000個受注時の単価 パッケージ AD9559 量産出荷中 -40˚C~85˚C 19.26ドル 10mm×10mm 72ピンLFCSP
関連製品として、12kHzから20MHzの帯域積分値で25fs(typ値)のジッタ性能をもつ「ADCLK944」を含む、ADIのクロック・ファンアウト・バッファ・シリーズ「ADCLK9XX」があります。パワーマネジメントには、超ロー・ノイズなロードロップアウト・リニアレギュレータ「ADP150」や「ADP222」、あるいはデュアルPWM(パルス幅変調)降圧型スイッチング・コントローラ「ADP1829」があります。
【詳細情報】
AD9557(シングルDPLLバージョン)
- 4系統のリファレンス入力(シングルエンドまたは差動)のうち1つを、それぞれ入力とできる、デュアルPLLアーキテクチャ
- OTNデマッピング・アプリケーション向けに、適応クロッキングとギャップド・クロックのリファレンス入力をサポート
- ホールド・オーバー・モードでGR-1244 Stratum の安定度をサポート
- 出力位相を乱すことなく、スムーズにリファレンス入力を切替え可能
- SONET/SDHからOC-192システム向けに、Telcordia GR-253のジッタ生成、伝送、許容度をサポート
- ITU-T G.8262同期イーサネットのスレーブ・クロックをサポート
- ITU-T G.823、G.824、G.825、およびG.8261をサポート
- アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ社は、技術革新、業績、そして卓越した技術を企業文化の柱に、技術セクターにおいて長きにわたり、最高の成長を誇る企業のひとつとしての地位を確実にしてきました。データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術で高い評価を得ており、6 万社を超える顧客に製品を提供しています。アナログ・デバイセズ社は、米国マサチューセッツ州ノーウッドに本社を構え、設計/製造拠点を世界各国に展開しています。S&P 500インデックスの一社に挙げられています。http://www.analog.com/jp
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