BLACKFINプロセッサ・アーキテクチャの概要

Blackfinプロセッサは、オーディオ、ビデオ、通信データ情報を統合したマルチメディア処理に最適で、さらに低電力消費を実現した新しいタイプの16~32ビットの組込みプロセッサです。インテル社と共同開発したマイクロ・シグナル・アーキテクチャ(MSA)をベースにしたBlackfinプロセッサは、32ビットのRISCライクな命令セットと2つの16ビットの積和演算(MAC)、また汎用マイクロコントローラに見られる使いやすい機能を備えています。Blackfinプロセッサはワンチップで信号処理機能に加えて、優れた制御処理機能も備えているので、別のプロセッサを用意する必要がありません。こうした機能のおかげで、ハードウェアとソフトウェアの設計が容易に行えます。

現在、Blackfinプロセッサは、シングル・コアで最高756MHzの性能を提供します。また、Blackfinプロセッサ・ファミリーの新しい対称型マルチプロセッサは、同一周波数での性能を2倍に高めています。消費電力も0.8Vまで下げ、業界トップの低消費電力性能を実現しました。ブロードバンド・ワイヤレス、オーディオ/ビデオ対応のインターネット家電、移動体通信など、今日および将来の信号処理アプリケーションのニーズに応える上で、この高い性能と低い消費電力の組み合わせは不可欠なものになっています。

すべてのBlackfinプロセッサは、システム設計者のために次のような重要なメリットを提供します。

  • 高性能な信号処理と効率的な制御処理機能によって、さまざまな新しい市場の開拓や新たなアプリケーションを可能にします。
  • ダイナミック・パワー・マネジメント(DPM)によって、システム設計者は、最終システムの条件に合わせてデバイスの消費電力プロファイルを調整できます。
  • きわめて使いやすい16/32ビットの命令セット・アーキテクチャと開発ツール・スイートによって、製品の開発時間を最小限に短縮します。

高性能のプロセッサ・コア

Blackfinプロセッサ・アーキテクチャは、10段のRISC MCU/DSPパイプラインをベースにしており、最適なコード密度が得られるように16/32ビットの命令セット・アーキテクチャを採用しています。また、BlackfinプロセッサのアーキテクチャはSIMDに完全に対応しており、ビデオや画像の高速処理のための命令を含んでいます。このアーキテクチャは、シングル・コア、デュアル・コアのどのデバイスにおいても、完全な信号処理/解析機能を得るのに最適であるとともに、効率的なRISC MCU制御タスク機能も提供します。コード密度が最適化され、コードの最適化がほぼ不要であることから、従来のプロセッサ上で見られるような性能ヘッドルームの障害に突き当たることなく、製品化の時間を短縮できます。

広帯域DMA

すべてのBlackfinプロセッサには複数の独立したDMAコントローラがあり、プロセッサ・コアからのオーバーヘッドを最小にしたデータの自動転送に対応します。DMA転送は、内部メモリと任意のDMA対応ペリフェラルとの間で行われます。SDRAMコントローラや非同期メモリ・コントローラなど、外部メモリ・インターフェースに接続された外部デバイスとペリフェラルとの間でも転送が可能です。

ビデオ命令

Blackfinプロセッサ・アーキテクチャは、8ビット・データ(多くのピクセル処理アルゴリズム用の一般的なワード・サイズ)に対応しているだけでなく、ビデオ処理アプリケーションにおける性能向上のために特別に定義された命令セットを備えています。たとえば、離散コサイン変換(DCT)はIEEE 1180の丸めに対応していますが、SAD(差分絶対和)命令はMPEG2、MPEG4、JPEGなどのビデオ圧縮アルゴリズムで使用される動き検出アルゴリズムをサポートしています。

ビデオ圧縮アルゴリズムをソフトウェアに実装すれば、OEMは発展する規格や新しい機能要件にもハードウェアを変更することなく適用できます。拡張された命令によって、主にASIC、VLIWメディア・プロセッサ、またはハードワイヤード・チップセットを使用するアプリケーションにおいても、Blackfinプロセッサを使用できます。最終的に、Blackfinプロセッサはシステム・コスト全体の低減だけでなく、製品化に要する時間の短縮にも貢献します。

制御処理の効率性

Blackfinプロセッサのアーキテクチャは、RISC制御プロセッサ同様、さまざまなメリットがあります。これらの機能には、階層型メモリ・アーキテクチャ、優れたコード密度、マイクロコントローラ型のさまざまなペリフェラル(10/100イーサネットMAC、UARTS、SPI、CANコントローラ、PWM対応タイマ、ウォッチドッグ・タイマ、リアルタイム・クロック、統合型SDRAMコントローラなど)が含まれます。こうした機能はすべて、システム設計者に設計上の柔軟性を提供するだけでなく、システム・コストを最小限に抑えることを可能にします。

階層型メモリ

Blackfinプロセッサのメモリ・アーキテクチャは、デバイス実装においてレベル1(L1)とレベル2(L2)の2つのメモリ・ブロックを提供します。L1メモリはコアに直接接続され、システムのフル・クロック速度で稼動し、速度が重視されるアルゴリズム・セクションで最大のシステム性能を発揮します。L2メモリは大容量のメモリ・ストレージ・ブロックで、若干速度は落ちますが、それでも外部メモリより高速に動作します。

信号処理のパフォーマンス・ニーズに応えると同時に、汎用マイクロコントローラのようにプログラミングを簡単にするために、L1メモリが実装されています。L1メモリはSRAM、キャッシュ、あるいはその両方の組み合わせとして構成することが可能です。SRAMおよびキャッシュ・プログラミング・モデルの両方をサポートすることで、システム設計者は広帯域幅と低レイテンシが要求されるクリティカルな信号処理データ・セットをSRAMにマッピングし、オペレーティング・システム(OS)やより「ソフトな」リアルタイム制御が必要とされるタスクをキャッシュ・メモリに保存できます。

Blackfin Processor memory architecture

MMUはメモリ保護のフォーマットを規定し、コアのユーザ・モードおよび管理者モードとともに、リアルタイムOS(RTOS)を完全にサポートできます。RTOSは管理者モードで動作し、ユーザ・モードで動作する実際のアプリケーション・ソフトウェア用のその他のシステム・リソースとメモリ・ブロックをパーティションで区切ります

優れたコード密度

Blackfinプロセッサ・アーキテクチャは、マルチレングスの命令エンコードをサポートしています。最も頻繁に使用される制御タイプの命令は、コンパクトな16ビット・ワードでコード化されます。それより難しい信号処理命令は32ビットでコード化されます。さらに、16ビットの制御命令と32ビッの信号処理命令をさまざまに組み合わせて64ビットのグループを作り、メモリ・パッキングを最大化できます。命令の格納/取出しの際には、アライメント制約がないので、コアは自動的にバスの長さ一杯に命令を詰め込みます。これら2つの機能を組み合わせれば、Blackfinプロセッサは、業界トップのRISCプロセッサに劣らないコード密度ベンチマークを実現できます。

ダイナミック・パワー・マネジメント

すべてのBlackfinプロセッサは、複数の電力節減技術を採用しています。Blackfinプロセッサのベースとなるゲーテッド・クロック・コア・デザインにより、機能ユニットが命令に合わせてパワーを最適化します。Blackfinプロセッサは、CPUアクティビティがほとんど(あるいはまったく)必要とされないときのために複数のパワーダウン・モードにも対応しています。また、最も重要なことですが、Blackfinプロセッサは内蔵のダイナミック・パワー・マネジメントをサポートしています。これによって、現在実行されているアルゴリズムの性能条件に合わせて動作周波数と電圧の調整が個別に可能になります。このような調整は、RTOSやユーザ・ファームウェアの制御により、連続して行われることもあります。Blackfinプロセッサのほとんどは、内蔵のコア電圧レギュレーション回路を搭載しており、さらに0.8Vまでの低電圧動作が可能で、長時間のバッテリ使用が要求されるポータブル・アプリケーションに特に適しています。

使いやすさ

これまでは高性能のシグナル・プロセッサと効率的な制御プロセッサの両方を必要としていた多くのアプリケーションで、Blackfinプロセッサを使用すれば両方の機能をカバーできるようになりました。このメリットのおかげで、開発の時間とコストが大幅に削減され、最終的にはエンド製品をより早く市場に出すことができるようになります。さらに、開発ツール・セットを1つ使用するだけなので、システム設計者の初期経費と学習負担が減ります。

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