Nikkei Electronicsアナログ・イノベーション・アワード2016

記念シンポジウム 開催報告

Winners_symposiumアナログ・デバイセズは、皆様の長年にわたるご支援に感謝を示すと共に、日本のエレクトロニクス業界のこれからを担う若手エンジニアの皆様にイノベーション・スピリットを継承いただくために、日経エレクトロニクスが創設したアワード「NE アナログ・イノベーション・アワード 2016 」に協賛しました。日本の大学・研究機関が2015~2016年に発表した、次世代を担うことが期待される技術に関する研究の中から、審査委員会による審査を経て、最優秀賞などを決定し、2016年12月に発表を致しました。

また、2017年1月25日(水)、コクヨホールで行った記念シンポジウムでは、「NEアナログ・イノベーション・アワード2016」贈賞式のほか、アナログ・デバイセズのフェローであるBob Adamsによる特別講演、また現在、米国に移って活躍するアナログ・デバイセズのエンジニアである楠田 義憲によるトークセッションも行いました。多くの方にご参加をいただき、誠にありがとうございました。



<特別講演>

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Innovation with impact : ”クリエーター&事業家”、私が実践できた理由


アナログ・デバイセズ フェロー
IEEEフェロー / 米国オーディオ技術学会(AES)フェロー
Bob Adams

 

・Innovationは、天才のひらめきによってもたらされるのではない。
人それぞれのパーソナリティや才能、多くの情報のインプットの組み合わせから生まれる。特に、技術的なブレイクスルーと、マーケットの向かう方向が合致したときに起こりやすい。


・自分が持っている知識や情報をつなぎ合わせることで、新たなアイディアが生まれる。
セミナーや学会に参加したり、多数の客先を訪問しヒヤリングするなど、技術的な知識や情報の量を増やす努力が必要。


・使い物になるアイディアは実は少ない。
たくさんのアイディアを考え出し、自ら取捨選択して絞り込むこと。また、優れたアイディアを思いついても、マーケットがあまり大きくない、ということもよくあるが、その状態でも、エンジニアとしての自分の直感を信じ、プロジェクトを断念せずに、マーケットの動きを注視し続けること。


・アイディアを実現させるためには、実務部隊を組織し、会社のサポートを得ることが必要。
そのためには、将来の市場規模や競合の有無などを見極め、収益性を冷静に分析すること。いつか機が熟したときには、会社を説得すること。迅速に失敗し、学ぶこと。リスクを取る勇気も必要。


・激務にあってもinnovationを生み出すには、新しいものを生み出したいという熱意を持ち続けることと、
実務を行う「プロジェクト実行モード」と、インプットを増やす「look-around mode」を分けること。

「プロジェクト実行モード」ではそのプロジェクトにまい進し、一段落したらすぐに次の業務に打ち込むのではなく、「look-around mode」で客先を訪問したり学会に出たり、旅行をしたりしてインプットを増やすのが有効。



<トークセッション>

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フツーの日本の学生だった私がシリコンバレーで働くようになったワケ


アナログ・デバイセズ
リニア&プレシジョン・テクノロジー・グループ
ICデザインエンジニア シニアスタッフ
楠田 義憲


・渡米のきっかけは、本社のマネージャーから声をかけられたこと。
特に海外志向もなく、英語も得意ではない普通の学生だったが、1ヶ月のインターン経験により働きやすそうな環境だと実感し、米国系のアナログ・デバイセズ日本法人に入社。米国本社のエンジニアとともにプロジェクトを進める中で、赴任を打診され、チャレンジしようという気持ちになった。


・米国の一流大学出身エンジニアと自分の一番の差はプレゼン力だと痛感。
一方で、日本人エンジニアとしての強みは細かいところまで気づき、分析すること。

ただし、細かすぎて周りには理解されないことも。相手がわかるレベルまで噛み砕いて説明することが求められる。


・日々心がけているのは、疑問を持ち、追求すること。
たとえば、自分の考えと実証結果が合わないなど小さなことでも「何故だ?」と考え、追求し、情報を集め、実証するようにしている。また、10年先のことはわからないが3~4年後に自分が面白いポジションにいるためにはどうすればよいかを常に考えて動いている。