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日立製作所 採用事例


Hitachi logo複雑なアルゴリズムと大きな入出力負荷を処理できる

アナログ・デバイセズの高性能Blackfin®が日立のビデオのハイライト・シーン録画に活躍 —

デジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)は、その登場以来たゆみなく進化しています。初期の民生用DVR製品では「瞬間一時停止/巻き戻し」などの機能がスポーツ番組の決定的瞬間を再生するために利用されていましたが、今ではもっと豊富な機能を備えた製品の登場によってすっかり過去のものになってしまいました。株式会社日立製作所の「Wooo Dシリーズ」のレコーダには、「いいとこ観」と呼ばれる、時間の節約になる機能があります。この機能を使用すれば、録画したビデオからハイライト・シーンを自動的に認識し、抽出および再生することができます。古いコマーシャルや興味がない部分を早送りする手間もいらず、コンサートやスポーツ番組のハイライト・シーンだけを連続再生して観ることができます。

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新しいDVRを設計する段階で、日立は、自 動ダイジェストの新機能がカスタム・アルゴリズムとして得られるシグナル・プロセッサを探していました。また、ビデオとオーディオを処理でき、ホスト・ストレージ機器とのI/Oインターフェースにも対応できるシグナル・プロセッサが欲しいと考えていました。日立によれば、目的に合うシグナル・プロセッサはたくさんあったということでしたが、最終的に選んだのはアナログ・デバイセズ(ADI)のBlackfin ADSP-BF531シグナル・プロセッサでした。ほかのプロセッサも検討したそうですが、どれも過度に複雑でコストも高すぎました。Blackfin® ADSP-BF531は、400MHzで十分な性能を発揮し、今後の展開のための十分な余裕もあり、価格も妥当なレベルでした。

日立のWooo Dシリーズ

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日立のWooo Dシリーズのレコーダは、高精細(HD)フォーマットのハイビジョンで1テラバイト(TB)までのメディアを「格納・録画」できます。DV-DH1000D、DV-DH500D、DV-DH250D、DV-DH160Dなど、このシリーズのハード・ディスク・ドライブ/デジタル・ビデオ・ディスク(HDD/DVD)レコーダにはすべて新しい自動ダイジェスト機能が標準装備されています。地上波デジタル・チューナ2つとBS/CSデジタル・チューナ2つからなるツイン・デジタル・チューナ・システム2個を搭載しており、2つの番組を同時にHD品質で録画できます。さらにユーザは、日立独自のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを使って、大容量HDDに録画した番組を簡単に検索、選択、再生することができます。日立は、DV-DH1000S、DV-DH500S、DV-DH250Sなどの最新のSシリーズ・モデルにもBlackfin ADSP-BF531プロセッサを採用しました。

日立がBlackfinを採用した主な理由は、このプロセッサが高度なアルゴリズムを大量に処理する能力を備えており、特に自動ダイジェスト・コードの処理に適しているためでした。このアルゴリズムは、音量の増加や輝度や色分布の変化といったオーディオやビデオ出力の知覚変化と「重要度」を関連付けることによって、録画番組の中から重要なシーンを自動的に識別します。自動ダイジェスト機能はWooo Dシリーズのレコーダの大きな特長であり、ユーザはこれによってスキップや早送りを繰り返すことなく、番組の中の観たい部分だけを観ることができます。400MHzの処理パワーと52キロバイトのオンチップ・メモリを備えたBlackfin ADSP-BF531プロセッサなら、この日立の複雑なオーディオ/ビデオ処理アルゴリズムの処理に最適ということになったのです。

「この日立製品のような次世代アプリケーションでは、RISCライクなプログラマビリティ、マルチメディア対応、最先端の信号処理機能を1つのパッケージに集積する必要があります。その最適なプラットフォーとなるのがBlackfinプロセッサです。」
自動ダイジェスト機能のほか、ハード・ドライブベースのDVRシステムの基本機能には、コマーシャルのスキップ、生放送の一時停止、興味があるシーンの瞬間再生などの便利な機能もふつう含まれています。このような機能も録画ビデオにリアルタイムでアクセスしなければならないため、入出力の負荷を大きくします。さらに、BSやCSでは番組を購入した加入者以外は観ることができないように衛星およびデジタル・ケーブル信号を暗号化しているため、信号を復号化したうえで録画しなければなりません。これにも、シグナル・プロセッサの高い処理能力が必要です。オーディオ/ビデオの最適化能力を備えた高性能なBlackfin ADSP-BF531プロセッサは、通常のオーディオ/ビデオ処理やホスト・ストレージ機器とのインターフェースという点でもその能力が評価され、選ばれました。

Blackfinが最適

この日立製品のような次世代アプリケーションでは、RISCライクなプログラマビリティ、マルチメディア対応、最先端の信号処理機能を1つのパッケージに集積する必要があります。その最適なプラットフォームとなるのがBlackfinプロセッサです。この新型16/32ビット組込みプロセッサは、今日の組込みオーディオ、ビデオ、通信アプリケーションで求められる演算能力と省電力のニーズに対応するように特に設計されています。

Blackfinプロセッサは、RISCプログラミング・モデルの画期的な信号処理性能と優れた電力効率を提供します。高性能な同種ソフトウェアのターゲットとして、厳しいリアルタイム信号処理タスクと非リアルタイムの制御タスクの間でリソースを柔軟に配分します。システム制御タスクは、一般に信号処理タスクやビデオ・タスクの影で実行されます。さまざまな処理能力を独自の組み合わせで提供するBlackfinプロセッサがあれば、デジタル信号プロセッサと制御プロセッサを別々に用意する必要がなく、これによってBOMコストが低減し、ハードウェア/ソフトウェアの設計作業がかなり簡単になります。

日立がハイエンドDVRシリーズのためにBlackfin ADSP-BF531プロセッサを選んだもう1つの大きな理由は、Blackfinアーキテクチャのおかげでプログラミングが容易になることでした。日立のR&Dチームには、好評のPCベースDVR用に作成した自動ダイジェスト・アルゴリズムがすでにありました。新しい日立Wooo Dシリーズのレコーダ用には、Blackfin ADSP-BF531プロセッサにこの同じアルゴリズムを簡単に移植できることがわかったのです。

その作業のために、日立の開発者はアナログ・デバイセズのEZ-KIT Lite評価用システムを利用しました。このシステムにはボード、ケーブル、電源、ソフトウェア、シリアル番号が含まれています。シリアル番号を登録すると、インストールして記録を開始した日から90日間、VisualDSP++  をフルライセンスで利用できます。VisualDSP++は統合開発/デバッグ環境(IDDE)であり、設計の最初から最後まで1つのインターフェースのみを使ってプロジェクトを効率的に管理できます。VisualDSP++には、使いやすいアセンブラ、アーカイバ、リンカ、ローダー、システム・クロックに忠実な命令レベルのシミュレータ、C/C++コンパイラ、DSPや数学関数を含むC/C++ランタイム・ライブラリが含まれています。

EZ-KIT Liteボードは低価格のハードウェア・プラットフォームです。Blackfinプロセッサを中心として、オーディオ・コーデック、ビデオ・エンコーダ、フラッシュ、SDRAMなどのデバイスが配置されています。各キットには、オンボードJTAGエミュレータがあります。プロセッサのJTAGポートとVisualDSP++ソフトウェアを使って、ブレークポイントの設定、コードのシングル・ステップ実行、メモリの表示、メモリのフィル/ダンプ、リアルタイムのデータ操作、プロファイル実行とメモリ・アクセス、データのプロットが可能で、標準I/Oを使用できます。

新しいWooo Dシリーズのレコーダの差別化を図り、自動ダイジェストなどの革新的な新機能を提供するために、日立にはBlackfinが必要でした。将来に向かって全速力で邁進する日立は、これからも製品ラインナップにBlackfinを使するということです。

詳細については、 日立製作所のサイトをご覧ください。


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