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デノン 採用事例


Denon logoデノンがCD/HDDシステムにBlackfin®を採用

最近では、電車、飛行機、スポーツジムなどあらゆる場所で携帯型のメディア・プレーヤを利用する人が増えています。しかし家にいる間は、音楽ファイルを簡単に保存、管理したり、Hi-Fiサウンドを楽しみたいと考えている人が大半です。株式会社ディーアンドエムホールディングス傘下の老舗プレミアム・ブランドである、デノン・ブランドカンパニー(以下、デノン)は、携帯型プレーヤやCDプレーヤ、さらにインターネット上のデジタル・オーディオ・ファイルをすべて一括管理できる家庭用メディア・サーバを開発しました。

D-F103 CD/HDD Mini SystemデノンはCD/HDDシステム「D-F103」の開発にあたり、各種フォーマットを用いたHi-Fiサウンドの再生や、インターネット・ラジオ局からのリアルタイム・ストリーミングが可能な高機能の信号処理プロセッサを探していました。これらのハイレベルな設計課題をクリアするため、アナログ・デバイセズのBlackfin® ADSP-BF533プロセッサに白羽の矢が立ちました。最高600MHzのBlackfin ADSP-BF533プロセッサが、同社の求めるHi-Fiサウンド・アプリケーションの最適化に必要な演算能力を提供するため、新システムは複数のオーディオ・フォーマットに対応できるほか、CDからハードディスクへの4倍速録音が実現しました。またBlackfinの高いプログラマビリティにより、CDからハードディスクへの録音中も、各種フォーマットの音楽を再生することができます。



デノンのCD/HDDシステム「D-F103」

D-F103は、音楽コレクションの再生と保存、および一括管理が可能なCD/HDD(コンパクトディスクおよびハードディスク)システムで、ハードディスクに最大1万曲を保存できます。このシステムはWMA(Windows® Media Audio)、AAC(Advanced Audio Coding)、MP3、およびLPCM(Linear Pulse Code Modulation)フォーマットの再生をネイティブでサポートするほか、世界中のインターネット・ラジオ局にアクセスできます。

オーディオ・ファンも納得する高品質コンポーネントを使用するD-F103は、40のFM/AM局のプリセットとDAB(欧州デジタルオーディオ放送規格)用チューナを搭載するチューナ・アンプDRA-F102/DAB、最大800時間の音楽を保存できるハードディスクCHR-F103、およびヨーロピアン・サウンドをリアルに再現するスピーカー・システムSC-F103で構成されています。製品にはリモコンが付属するほか、同社のコントロール・ドックASD-1Rを使えばiPod®との接続が可能です。このシステムに搭載される高精度のデジタル・オーディオ・コンバータによって、音質が一層向上しています。

D-F103はハードディスク内またはイーサネット接続を介したGracenote®データベースに対応しているため、すべての楽曲に対してアルバム名、ジャンル、トラック番号、アーティスト名が自動的に表示されます。Denon Music Managerというソフトウェアにより、これらの項目による楽曲検索も可能です。またイーサネット・ポートを使用すればインターネット・ラジオやパソコンとの接続、DLNA(Digital Living Network Alliance)クライアントとの接続も行えます。

D-F103はUSBポートを装備しているため、音楽をパソコンにバックアップしたり、パソコンから転送することが可能です。またUSBメモリなどの外部装置をUSBポートにつないで楽曲を再生することもできます。D-F103システムは日本と欧州で発売されています。


Blackfinプロセッサ採用の理由

高い演算能力が求められるデノンのオーディオ・アプリケーションには高性能が特に重要な要件であり、その点でアナログ・デバイセズの16/32ビット組込みプロセッサBlackfinは理想的な製品でした。Blackfin® ADSP-BF533プロセッサは600MHzで動作し、RISCプログラムモデルにおいて画期的な信号処理能力と電力効率をもたらします。積和演算(MAC)を行う16ビットのデュアル・デジタル信号処理エンジンを搭載するほか、RISCライクなマイクロプロセッサ命令セットや、SIMD演算によるマルチメディア機能を備えています。

Blackfinプロセッサならではの特性により、デジタル信号と信号制御について別々のプロセッサを用意する必要がなくなりました。デノンによれば、これまでは楽曲の保存と再生を行うプロセッサと、楽曲、CDドライブ、ハードディスクの管理を行うプロセッサの2つが必要でした。Blackfinが信号処理と制御処理の能力を兼ね備えることで、D-F103システムはCDからハードディスクへの録音中でも、各種フォーマットの音楽を再生できます。

速度と集積

Blackfinプロセッサは、デノンのようなアプリケーションを念頭に設計された高集積プロセッサです。業界標準のインターフェースと高性能のプロセッサ・コアを兼ね備えるため、システム設計者は高価な外付け部品を使わずに短期間で製品開発を行うことができます。ペリフェラル(周辺装置)とのインターフェースも豊富で、UARTポート、SPIポート、2つのシリアル・ポート(SPORT)、4つの汎用タイマ(3つはパルス幅変調)、汎用フラグI/Oピン、リアルタイム・クロック、ウオッチドッグ・タイマ、パラレル・ペリフェラル・インターフェースを備えています。このほかにもオーディオ、ビデオ、モデムの各種コーデック機能とインターフェースするシリアルおよびパラレルの高速ポート、オンチップのペリフェラルや外部源による割込みを柔軟に制御する割込みコントローラ、さらには電源制御機能も備えています。

BlackfinプロセッサのSPORTは、D-F103システムにおいてオーディオ・データの入出力となっています。またハードディスクとCDドライブの接続には、Blackfinの外部バス・インターフェース・ユニット(EBIU)が採用されました。

メモリでは、148Kバイトのオンチップ・メモリ、2つのデュアル・チャンネルDMAコントローラ、メモリ保護を行うメモリ管理ユニット、SDRAM、SRAM、FLASH、ROMとグルーレスに接続する外部メモリ・コントローラ、およびSPIと外部メモリによる柔軟なメモリ・ブートのオプションを備えています。Blackfin ADSP-BF533プロセッサのすべてのペリフェラル(汎用I/O、リアルタイム・クロック、タイマを除く)は、柔軟なDMA構造によってサポートされています。

BlackfinアーキテクチャではDMAコントローラとプロセッサ・コアが独立しているため、D-F103システムは信号処理に影響を及ぼすことなくデータを高速転送できます。この特徴は、CD-ROMやハードディスクがプロセッサと直接インターフェースする(D-F103システムのような)ネットワーク型オーディオ・システムにとってメリットとなります。

アナログ・デバイセズの開発/デバッグ統合環境(IDDE)VisualDSP++®は使い勝手のよいソフトウェア開発環境で、開始から完了までのプロジェクト管理を1つのインターフェースを使って効率よく行うことができます。VisualDSP++は、デノンがD-F103システムの開発期間を短縮するうえで威力を発揮しました。

高性能Blackfinプロセッサを搭載したデノンのCD/HDDシステム「D-F103」により、さらに豊富なオーディオを家庭でより簡単に楽しむことができるようになりました。

デノンについて詳しくは、こちらをご覧ください。

「高い演算能力が求められるデノンのオーディオ・アプリケーションには高性能が特に重要な要件であり、その点でアナログ・デバイセズの16/32ビット組込みプロセッサBlackfinは理想的な製品でした」

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