CN0072

可変ゲイン・アンプ AD8368 を使用してログ検出器 ADL5513 のダイナミック・レンジを拡張※Rev.0を翻訳したものです。最新版は英語資料をご覧ください。
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回路機能とその特長

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この回路は、ログ検出器ADL5513のダイナミック・レンジを拡張するためのソリューションを提供します。この拡張機能は、ADL5513の入力に可変ゲイン・アンプ(VGA)AD8368を追加することによって実現します。ADL5513からのVOUT信号を減衰し、AD8368のゲイン制御入力に戻すことにより、ADL5513の入力で高精度な電力制御を行います。この手法を用いることで、優れた温度安定性を維持した状態で回路のダイナミック・レンジが95dBまで向上します(図2参照)。出力電圧は入力信号のdB値に対して直線的に変化します。

図1. 120MHzで95dBのダイナミック・レンジを実現するログ検出器ADL5513とAD8368 VGA(簡略回路図) 注:VPOS = +5 V

回路説明

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ゲイン制御入力がVOUTから直接供給される独立したVGAを追加することにより、ログ検出器ADL5513のダイナミック・レンジを拡張することができます。この場合、VGAのゲイン制御範囲に沿ってダイナミック・レンジが拡張されます。全体的な測定値がdB値に対して直線的な変化を維持するように、VGAはデシベル・リニア(デシベルをリニアに電圧で制御)ゲイン制御機能である必要があります。VGAのゲインは、ADL5513と同じように、ゲイン・バイアスの増加に応じて減少する必要があります。あるいはレベル・シフト機能を持った反転アンプを使用することも、ひとつの方法です。5.0V単電源しか必要としないシングルエンド出力を発生可能なVGAを選択するのが好都合です。AD8368はこれらの条件を全て満たしています。簡略回路図を図1に示します。AD8368の反転ゲイン・モード(MODEピンがロー)を使用すると、1.0Vのゲイン電圧(VGAIN)に対してゲインが-37.5mV/dBの勾配で−12dBの最小値まで減少します。AD8368が必要とするこの電圧VGAINはADL5513の出力の50%です。したがって、この電圧をスケーリングするため、ADL5513の出力に分圧器を挿入する必要があります。(この例では1/2、0.5倍です)ADL5513の出力からの1.5Vの範囲において、AD8368のゲインは(0.5 × 1.5 V)÷(37.5 mV/dB) つまり20dB変化します。ADL5513の75dBのゲイン・スパン(120MHz時)と組み合わせることにより、AD8368の入力での95dBの変化に対してVOUTが1.5V変化します。

AD8368によって帯域外ノイズが増幅されるため、AD8368とADL5513の間にバンドパス・フィルタを使って小信号感度を上げます。VGAは小電力信号を増幅し、また大電力信号を減衰させることにより、これらの信号をADL5513の検出可能な範囲に合わせます。ゲインが大きくノイズ指数が小さいアンプを使用すると、受信信号強度指数(RSSI)のアプリケーションで使用するための90dB以上の感度を実現することができます。

120MHzでの拡張されたダイナミック・レンジのデータと、これに対応するVOUTの誤差を図2に示します。

図2. AD8368とADL5513でダイナミック・レンジを拡張した回路の120MHzでの出力と対数適合性

高い周波数と広いダイナミック・レンジのため、回路を少なくとも1つの層をグラウンド・プレーン用に持つ多層PCボード上に構築する必要があります。図1に示されているように、各ICの電源ピンを0.1μFの低インダクタンス・セラミック・コンデンサでデカップリングする必要があります。周波数がきわめて高い場合には、いくつかの電源ピンに容量値のより小さいデカップリング・コンデンサ(低ESL)を追加します。回路図の「0Ω」表示の抵抗は、デカップリングを強化するために追加可能なオプションの小さな抵抗値(10Ω未満)またはフェライト・ビーズの位置を表します。ADL5513とAD8368のデータシートに、それぞれの評価用ボードの最適なレイアウトが示されています。

ADL5513とAD8368の両方のチップ・スケール・パッケージの下側には露出金属面(パッド)があります。このパッドはチップのグラウンドに内部で接続されています。規定の電気的性能と放熱性能を実現するために、パッドをPCB上の低インピーダンスのグラウンド・プレーンにハンダ付けしてください。パッドの下の全ての層のグラウンド・プレーンをビアで接続して、熱抵抗を小さくすることも推奨します。

バリエーション回路

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この回路ノートで説明したアプリケーション回路は、適切なバンドパス・フィルタを選択することにより、AD8368とADL5513の動作範囲内の任意のIF周波数用に変更することができます。800MHzを超える動作では、AD8368の代わりにADL5330を使用することができます。ADL5330 VGAは、10MHz~3GHzの範囲の周波数で使用することができます。ADL5330を使用する場合も、ADL5330のゲイン・ピンとADL5513からのゲイン制御電圧の間にインバータを必要とします。このようなアプリケーションでは、AD8061などの単電源オペアンプをインバータとして使用するように構成することができます。

製品サンプル

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製品

概要

サンプル提供可能な
製品型番

ADL5513 ログ検出器/コントローラ、1MHz~4GHz、80dB

ADL5513ACPZ-R7

AD8368 可変ゲイン・アンプ、800MHz、デシベル・リニア、AGC検出器内蔵

AD8368ACPZ-REEL7