CN0116: 電流センス・アンプAD8210と差動アンプAD8274を使って、出力レベルをシフトして、高電圧、高精度の電流を検出する回路

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回路の説明

使用されている製品
    アプリケーション: 
  • モーター・コントロール
  • 電源システム
  • メーター&エネルギー計測

回路機能とその利点

パワーマネジメント、ソレノイド制御あるいはモータ制御のような種々のアプリケーションにとって、電流モニタリングは重要な機能といえます。正確な電流検出とGNDへの短絡の保護は、負荷のハイサイド側の電流をモニタすることによって実現できます。

AD8210のような集積されたデバイスは、高電圧のインターフェースの提供とシャント抵抗間の双方向電流のモニタ機能によって、ハイサイド電流のモニタリングを簡素化することが出来ます。AD8210は、アプリケーションにおいて最適な精度を実現するため、高いコモン・モード除去特性(CMR)と優れた温度性能を提供します。AD8210は負荷へのシャント抵抗を流れる電流を増幅し、負荷電流に比例したグランド基準の出力電圧を提供します。

両電源が使われるアプリケーションでは、AD8210の出力は、図1に示すように、高精度、低歪のAD8274のようなディファレンス・アンプを駆動することが出来ます。AD8274は追加のゲインおよびAD8210の出力を、望ましい出力コモン・モード電圧に対応するレベル・シフトを提供します。このことは、両電源が使われる他の回路部品へのインターフェースを容易にします。高精度のAD780は2.5Vのリファレンス電圧を提供し、AD8210による双方向の電流モニタリングを可能とし、またAD8274のレベル・シフト機能に対するリファレンス電圧を提供します。

図1:AD8210、AD8274およびAD780を使った電流センシングとGND周りへのレベル・シフト回路(デカプリングおよび全ての接続は示されていません。)

回路説明

負荷への電流は、シャント抵抗、RSHUNT、を流れます。抵抗間の電圧は、AD8210によって、20V/Vのゲインで増幅されます。 AD8210は、-2V~+65Vに変化するような、入力コモン・モード電圧に耐えることができます。 AD8210は高いコモン・モード除去特性(CMR)を備えているため、Hブリッジ構成でのモータ駆動する位相電流をモニタする場合のように、たとえPWMされたコモン・モード信号が存在するような電流のモニタを可能とします。図2は、PWMのモータ電流をモニタする時の標準的な波形を示しており、図3は回路の過負荷特性を示しています。

図2:負荷電流に比例したAD8210の出力電圧とAD8210の出力をAD8274でレベル・シフトした電圧
図3:過負荷状態でのAD8210とAD8274の出力電圧

AD8210の出力はシャント抵抗間を流れる電流に比例し、次式の伝達関数となります。

Equation 1

AD8210の出力は2.5Vをベースとして得られます。このことは2つのVREFピンに、2.5Vの高精度リファレンスAD780を接続することで実現します。これによって、AD8210はシャント抵抗を流れる両方向の電流をモニタすることが出来ます。電流が入力側の正方向から負方向に流れる場合、出力は2.5V以上の値になります。 電流が反対方向に流れる場合、出力は2.5V以下の値になります。 またAD780の出力はAD8274の負側入力に接続されており、これによってAD8274の入力は、AD8210と同じコモン・モード電圧を持つことになります。AD8274の正側入力は、AD8210の出力に直接接続されます。AD8274は±15V電源を使用しており、非反転2倍ゲインで構成されています。AD8274は、2つの入力間の差電圧を取り込み2倍のゲインを与えます。

Equation 2

両方の入力は2.5Vを中心としていますので、AD8274は差分のみを増幅し、このシステムでの入力から出力への伝達関数は次式となります。

Equation 3

AD8274の出力コモン・モード電圧は、ピン3をGNDに接続することによって、0Vに設定されます。出力電圧は、シャント抵抗間を流れる負荷電流の方向に依存して、プラスの値またはマイナスの値となります。

この回路は簡単で、電流モニタリング用の非常に高精度なソリューションを提供します。AD8210は高いコモン・モード電圧を除去し、シャント抵抗間に生じる小さな電圧のみを増幅します。これは、印加された2.5Vリファレンスを中心とした出力電圧を提供します。AD8274は、両電源駆動の回路における他の部品と、容易にインターフェースを計ることが出来ます。AD8210の2.5Vのコモン・モード・オフセット電圧を除去し、AD8210の出力をGNDに対する信号レベルにシフトします。

リファレンスAD780の入力/出力ピン間は1μFコンデンサでデカップリングします。低インダクタンスの0.1μFセラミックのデカップリング・コンデンサ(図では表示されていません)を、2つのICのVSの直近に接続する必要があります。標準的なデカップリング・ネットワークでは、0.1μFの低インダクタンス・セラミックMLCCタイプと並列に1μ~10μF電解コンデンサを用いて構成されています。

ここで説明されている回路で望ましい性能を達成するためには、優れたレイアウト、グランディングとデカップリングのテクニックを使う必要があります。(チュートチュトリアルMT-031MT-101を参照してください。)最低でも4層のPCB、グランドプレーン層、電源プレーン層、と残り2層は信号層、を使うべきです。

バリエーション回路

AD8274は広い電源電圧範囲を備えていますので、±5Vのような低い両電源から、動作させることが出来ます。 このアプリケーションでは最も大きなダイナミックレンジを提供するために2倍のゲインを使っていますが、AD8274は、必要に応じて、½ゲインのディファレンス・アンプとしての構成も可能です。 AD8271AD8276のような他のディファレンス・アンプも、ユニティ・ゲインで高精度レベル・シフトを提供することが出来ます。

また、2.5VのリファレンスはAD8210に供給している5V電源を使って、抵抗分割で作られた電圧を使うことも出来ます。AD8210およびAD8274のリファレンス・ピンを駆動するにはバッファを使うべきです、これはデータシートに仕様化されているゲインおよびオフセット定格を維持するためには、低インピーダンスを備えた電圧源が必要のためです。

AD780は、全温度範囲、負荷それにライン状態にわたって、優れた出力安定を備えた、超高精度のリファレンスです。その他の低価格リファレンスも、 ADR421ADR03、若干大きな誤差が許されるようなアプリケーションで代替として使うことが出来ます。



ご意見、ご提案などございましたら、アナログ・デバイセズ広報・宣伝部にメールにてお知らせください。

この回路に使用されている製品&サンプル:

製品 概要 サンプルが入手可能な製品
AD780 2.5V/3.0V電圧リファレンス、超高精度、バンドギャップ

To obtain samples of this part, please contact ADI

AD8210 双方向の電流シャント・モニタ、高電圧 AD8210YRZ
AD8274 ディファレンス・アンプ、高精度、超低歪み AD8274ARMZ AD8274ARZ
沪ICP备09046653号
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