この回路は工業用制御出力モジュールの完全なソリューションを提供します。これは、4mA-20mA電流出力範囲を必要とする、プロセス制御におけるプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)と分散制御システム(DCS)に適した設計となっています。AD5662はnanoDAC®ファミリーの製品で、SOT-23パッケージの5V、16ビットD/Aコンバータです。ADuM1401は4チャンネルのデジタル・アイソレータで、マイクロコントローラとDAC間におけるすべての信号の絶縁を提供します。また、この回路は標準的な外部保護回路を含んでおり、IEC61000仕様に完全に準拠したテストと検証が行われています。
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図1.16ビット絶縁4mA-20mA工業用制御出力モジュール回路
(この回路図は一部簡略化されている部分があります) |
工業用制御モジュールのアナログ出力電流範囲は、通常4mA-20mA、または0mA-20mAです。AD5662は0V~5V出力を提供し、この出力はセンス抵抗RSを流れる電流、すなわち、R1を流れる電流を設定します。 この電流は、オペアンプAD822(デュアル)のひとつを使ってR2にミラー(10倍)されます。AD822アンプは、その高性能と高い電圧動作として選ばれています。電流ミラーの最初の段は、DAC動作がゼロ・スケール出力のときデッドバンド(不感帯)ができないように、0V入力で動作できる必要があります。これはAD822の負側電源電圧は、初段のAD822の出力でのヘッドルームを考慮して、少なくとも-1Vを必要とします。2段目の、正側電源と直列に置かれた2つのダイオードは、2段目の出力電圧がAD822の正側レール電圧、35Vもの高い電圧まで可能、に到達しないことを確実にしています。 FETの出力もまた、直列ダイオードによって保護されています。この直列ダイオードは、いくつかのアプリケーションでは重要となる場合もありますが、回路での消費電力を増加させることがあります。
ADR02は9ppm/℃(max)のドリフト仕様を備えています。このリファレンスは、36Vもの高い入力電圧範囲を備えていることから、工業用アプリケーションでよく使われます。 ADuM11401は、アナログ・デバイセズのiCoupler®技術に基づく、4チャンネルのデジタル・アイソレータです。これはAD5662とシステム側のマイクロコントローラ間を、2.5kVrmsの絶縁定格で絶縁するために使われています。3本の線がAD5662に標準SPIインターフェース(SYNC、SCLKとDIN)として使われています。
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図2.24mAフルスケール出力範囲でのINL精度のプロット曲線
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図2は、AD5662と外部リファレンスADR02を使ったときの、RLに流れる出力電流の出力誤差のプロット(積分非直線性)を示しています。結果は、入力コードの関数として%FSR(フルスケール範囲)で示されています。ADR02を、この回路のリファレンスとして選びました。 この設計では、外部保護(標準的な保護ダイオードやTVS素子など)を含んでおり、表1に示したIEC61000規格でのテストを満たしました。 外部保護の技法についてのより詳細な検討については、Colm Slattery, Derrick Hartmann, Li Ke著「PLC Evaluation Board Simplifies Design of Industrial Process Control Systems」Analog Dialogue Vol.43 No.04、2009月4月号を参照してください。
表1. IEC仕様の結果
| テスト事項 | 説明 | 結果 |
| EN & IEC 61000-4-2 | 静電放電 (ESD) ±4 kV VCD | CH3での最大偏差 0.32% クラス B |
| 静電放電 (ESD) ±8 kV HCD | CH3での最大偏差 0.28% クラス B | |
| EN & IEC 61000-4-3 | 放射耐性 80MHz~1GHz 10V/m 垂直アンテナ両極 |
CH1での最大偏差 0.09%、CH3で0.30%クラス B |
| 放射耐性 80MHz~1GHz 10V/m 水平アンテナ両極 |
CH1での最大偏差 –0.04%、CH3で0.22% クラス B | |
| 放射耐性 1.4 GHz~2 GHz 3 V/m 垂直アンテナ両極 |
CH1での最大偏差 0.01%、CH3で -0.09% クラス B | |
| 放射耐性 1.4 GHz~2 GHz 3 V/m 水平アンテナ両極 |
CH1での最大偏差 0.01%、CH3で 0.09% クラス B | |
| EN & IEC 61000-4-4 | 電気的高速トランジエント(EFT) ±2kV パワーポート |
CH3での最大偏差 –0.12% クラス B |
| 電気的高速トランジエント(EFT) ±1 kV 信号ポート |
CH3での最大偏差 –0.02% クラス A | |
| EN & IEC 61000-4-5 | 電力線サージ、±0.5kV | ボードと部品でのダメージ無し、クラス Bをパス |
| EN & IEC 61000-4-6 | パワー・コードでの導通耐性テスト 10V/m 5分間 |
CH3での最大偏差 0.09% クラス B |
| I/Oケーブルでの導通耐性テスト 10V/m 5分間 |
CH3での最大偏差 –0.93% クラス B | |
| EN & IEC 61000-4-8 | 磁気耐性、水平アンテナ両極 | CH3での最大偏差 –0.01% クラス A |
| 磁気耐性、垂直アンテナ両極 | CH3での最大偏差 –0.02% クラス A |