CN0005: 高精度な抵抗器を使わずに、負の高精度電圧リファレンスを作る回路

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回路機能とその利点

正のリファレンスから負のリファレンスを作る従来からの方法は、単にオペアンプのインバーティング回路(反転回路)を使うことです。ここでのアプローチは2つの精度よくマッチした抵抗を必要とします。 マッチングの誤差は最終出力の誤差を引き起こします。 このドキュメントで説明する回路は、高精度抵抗を使わずに高精度な負のリファレンスを作る回路で、最小部品で高精度を提供します。

図1. 負の-1.25Vリファレンスを作成する回路

回路説明

この回路では、高精度電圧リファレンス・シリーズの1.25V ADR127と低ノイズ、低歪み、低オフセットのオペアンプAD8603を使っています。 ADR127は、高精度な1.25V出力を提供します。 AD8603は、非常に小さな電力で優れたPSRRを備えており1.8Vの小さな電圧で動作可能なことから、理想的な組み合わせ製品といえます。 この回路は、最小電源電圧は+3V(±1.5V)でリファレンスとオペアンプ両方に対して充分なヘッドルームを維持できます。

ADR127リファレンスの入力は+VDD電源に、出力はAD8603の反転入力端子に(1kΩのアイソレーション抵抗を介して)、またADR127のGNDピンはAD8603の出力に接続されているため、フローティング状態であることに注意してください。 (もしADR127のGNDピンが実際の回路ボードのグランドプレーンに接続されると、この回路は動きません。) この構成では、ADR127は1.25の電圧源として、オペアンプのフィードバック・ループ内に接続され動作します。オペアンプ出力はネガティブ・フィードバックによって-1.25Vに強制的に引き込まれます。出力電圧の誤差は、オペアンプの入力オフセット電圧とリファレンス自身による誤差だけから影響を受けます。 1kΩ抵抗を通して流れるバイアス電流による誤差は、オペアンプがCMOSで非常に小さな入力バイアス電流を備えているため、無視できます。 したがってオペアンプは、低オフセット電圧で、目的の負側電圧がリファレンス出力に極めて近い場合はレールtoレール出力である必要があります。

リファレンスとオペアンプに関するヘッドルームは、この回路を適切に動作させるためには考慮されるべき事項です。VDD電源電圧は、リファレンスの必要とするヘッドルームに対応できるように、充分大きい必要があります。 ADR127は少なくても1.45V(VIN-VOUT)のヘッドルーム電源電圧として必要としますので、VDDは最小でも1.5V(50mVマージン)となります。 負の電源電圧としては、オペアンプの出力段のヘッドルーム仕様によって決定されます。 AD8603はレールtoレール出力段を備えていますが、この回路では少なくても数百mVの出力ヘッドルームを考慮する必要があります。 AD8603は-1.25Vを出力しなければなりませんので、250mVの出力ヘッドルームを提供するため、少なくても-1.5Vを使用する必要があります。 ヘッドルーム仕様を満たす限り、±1.5V~±2.5V間の電源を使うことができます。 AD8603は5V電源で仕様化されており、6Vまたは対称電源の場合は±3Vの絶対最大定格電源電圧を備えています。

リファレンスの入力/出力ピン間は0.1μFコンデンサでデカップリングします。 1kΩの抵抗はオペアンプの反転入力からコンデンサをアイソレションしています。低インダクタンスの0.1μFセラミック・デカップリング・コンデンサ(図には表示されていません)を、2つのICの非常に接近したVDDに接続する必要があります。 ほとんどの場合、オペアンプの出力(-VREF)ではかなり大きなデカップリングが使われますので、オペアンプは大きな容量負荷でも安定なオペアンプを選ぶ必要があります。 標準的なデカップリング・ネットワークでは、0.1μFの低インダクタンス・セラミックMLCCタイプと並列に1μF~10μF電解コンデンサで構成されています。

バリエーション回路

この回路は、図に示された部品の値を使うことで、優れた安定性と高精度を提供します。 アナログ・デバイセズの数多くの電圧リファレンスと高精度オペアンプに関しても、その他希望する値を持った負のリファレンスを開発する場合には、これと同じ構成を使うことが可能です。

リファレンスとオペアンプの組み合わせを選択する場合、常にリファレンスの供給電圧がヘッドルーム仕様に相反しないように(VIN-VOUT)確認してください。 リファレンス出力VOUT=0となるため、+VDDの最小値は、電源電圧ヘッドルームに等しいか、あるいはそれ以上であることが必要です。 例えば、高精度5VリファレンスADR365を使って、-5Vリファレンスを作成する場合、ADR365の供給電圧ヘッドルーム仕様は300mVとなっているため、少なくとも5.3Vの+VDDが必要となります。 オペアンプは出力で負の5Vを供給しなければなりませんので、この場合アンプの選択として、16V、低ノイズ、高精度、レールtoレールオペアンプのAD8663がいいでしょう。VSSは-5.5Vに設定して(負側出力で0.5Vのヘッドルームを勘案)、VDD範囲は(AD8663の電源範囲が16Vであるため)5.3V~1.05Vのどの電圧でも使うことができます。 ほとんどの場合電源電圧は対称電圧を使いますので、VDD=+5.5V、VSS=-5.5Vが良い選択といえます。

-2.5Vリファレンスを生成する場合オペアンプと共にADR121を使うことができます。 オペアンプは-2.5Vを出力しなければなりませんので、少なくても-2.8VのVSSを使わねばなりません。(レールtoレール出力段と仮定して) VDDは、ADR121での最小VIN-VOUT仕様を満たすために、少なくても+0.3Vでなくてはなりません。 もしAD8603を使う場合は、AD8603のトータル電源電圧は5Vを超えられませんので、VDDとして2.2V以上は使えません。 もし対称の2.8V電源あるいはそれ以上を必要とする場合(たとえば±5V)、より高い電源電圧を備えたオペアンプを選ぶ必要があります。



ご意見、ご提案などございましたら、アナログ・デバイセズ広報・宣伝部にメールにてお知らせください。

この回路に使用されている製品&サンプル:

製品 概要 サンプルが入手可能な製品
AD8603 オペアンプ、高精度、マイクロパワー、ローノイズ、入出力レールtoレール AD8603AUJZ-REEL7
AD8663 オペアンプ、低ノイズ、高精度、16V、CMOS、レールtoレール出力 AD8663ARZ AD8663ACPZ-REEL7
ADR127 電圧リファレンス、LDO、1.25V出力、マイクロ・パワー、TSOTパッケージ ADR127AUJZ-REEL7
沪ICP备09046653号
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