設計ツールとサポート・コミュニティがあれば、 アナログは怖いどころか面白い!

質問:

ジェームズさん、私はデジタル設計に精通している者です。それなのに、熱電対による測定機能をシステムに追加するように頼まれてしまいました。もう怖くて、私のネクタイまで縮み込むほどです。いったいどこから着手すればよいのでしょうか?

RAQ:  Issue 98

回答:

バートさん、パニックにならないで! アナログ・デバイセズが提供しているのは製品だけではありません。

シリコンだけでなく、アプリケーション・ノート、リファレンス回路、設計専門知識など豊富な資料を提供しています。最新設計ツールSignal Chain Designerでは、あらゆる選択肢を提供する設計環境で、センサー・ベースの設計を速く効率的に作製するために必要なものがすべて得られます。

パラメータ検索エンジンでデバイスを選択して自分で設計してもよいし、あるいはライブラリにある設計を利用してスタートしてもよいでしょう。ライブラリには、センサー出力のコンディショニング(信号処理)やA/Dコンバータの駆動のために最適化されたものなど、200種を超えるリファレンス回路や検証済みの製品の組み合わせが用意されています。回路設計を選択したら、アプリケーションに合わせてカスタマイズし、回路図、BOM(部品表)、回路基板レイアウト・ファイルなどを含め、あらゆるドキュメントをダウンロードすることができます。Signal Chain Designerはベータ・テスト中ですが、新たにリリースされるAnalog Filter Wizardを完全に統合するものになります。

アナログ・デバイセズは、設計のあらゆる段階に対応するツールを提供しています。設計ツールは、アンプ/リニア設計ツール、データ・コンバータ設計ツール、RF設計ツール、パワーマネジメント設計ツールに分類できます。数あるリニア・ツールには、たとえばMultisimを使用するSPICEシミュレータ、差動アンプ回路を設計するためのADI DiffAmpCalcカリキュレータ(ダウンロード可能)、新設計のPhotodiode Wizardなどがあります。

Photodiode Wizardのベータ版は10月10日にリリース予定です。A/Dコンバータについては、ウェブ・ベースのアプリケーションADIsimADCを試してみてください。テスト条件を制御でき、設計固有の性能プロットを作ることができます。RF領域では、カスケード接続のゲイン、ノイズ指数、IP3、P1 dB、全消費電力など、RFシグナル・チェーン内の重要なパラメータはADIsimRFを使って計算できます。あるいは、ADIsimPLLを使って高性能PLLを評価することも可能です。ADIsimPowerでは、スプレッドシートを利用して、めざす設計のために最適化された完全な電源設計を作成することができます。

アナログ・デバイセズは、Engineering Universityプログラム、ウェブキャスト、ビデオでチュートリアルや学習の機会を提供しています。また、アライアンス・プログラムによるFPGAリファレンス設計のほか、EngineerZone サポート・コミュニティや技術サポートによる個人サポートもご利用いただけます。 

このような設計ツールとサポート・コミュニティを組み合わせれば、開発リスクを低減し、設計にかかる時間を短縮し、市場投入に迅速に進むことができます。今度からはアナログ設計を怖がることはありません。新しい技術を習得する機会ととらえ、設計を楽しんでください!


著者

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James Bryant

James Bryantは、1982 年から2009 年までアナログ・デバイセズの欧州地区アプリケーション・マネージャを担当し、つねに面白いプロジェクトを探求しています。 リーズ大学で物理学と哲学の学位を取得し、さらにC.Eng.、Eur.Eng.、MIEE、FBISの資格があります。エンジニアリングに情熱を傾けるかたわら、アマチュア無線家でもあり、コールサインG4CLFを持っています。